2025.12.23

システムをつくる前に、信頼をつくる。松山で30年以上続くIT企業が守り抜く「長く活躍できる」働き方

「会社は人。人が宝」

きれい事のように聞こえるこの言葉を、創業以来37年間、泥臭く守り続けている会社がある。
愛媛県松山市にあるIT企業、株式会社アイ・エヌ・エス(INS)だ。

彼らが手がけるのは、造船業やタオル産業など、地域の産業を支える業務システムの開発。
そしてもう⼀つ、学校の先⽣たちの働き⽅を変えるグループウェア「ミライム」を開発・提供するメーカーとしての顔も持つ。

そのスタイルは、技術や効率一辺倒のIT企業とは一線を画す。
仕様書通りにつくって終わり、ではない。
膝を突き合わせ、雑談をし、相手の懐に入り込んでから、ようやくコードを書き始める。

なぜ彼らは、効率化が進むこの時代に、あえて「手間のかかるコミュニケーション」にこだわり続けるのか。

そこには、AI時代に私たちが忘れかけている「働くことの原点」があった。

規模は追わない、「個の価値」を追う

IT業界は、人材の流動が激しい。

プロジェクト単位で人が集められ、終われば解散。エンジニアはプロジェクトを回すための「単なるコマ」として扱われ、摩耗していくことも珍しくない。

だが、INSは違う。

平均勤続年数は19年以上。この数字が物語るのは、社員一人ひとりの成長に寄り添い、長く活躍できる環境を作るという強い意思だ。

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「一度仲間になったら、人生の大切な時間を一緒に重ねていく」そんな温かい人間関係が、ここでは当たり前に築かれている。
彼らが目指しているのは、会社の規模拡大ではない。
「一人ひとりの存在価値が高い会社」だ。
人数を安易に増やすのではなく、一人ひとりがプロフェッショナルとして育ち、高い生産性と価値を発揮する。
そうやって彼らは、激動のIT業界を30年以上生き抜いてきた。

「受託開発」から「メーカー」への転換

かつて、彼らも大手の下請け開発を行っていた時期がある。

だが、それを辞めた。「エンドユーザーに直接会い、喜びを分かち合えない仕事は、人を幸せにしないから」だ。
現在、彼らの仕事はほぼ100%が顧客との直接取引だ。
エンジニアもスーツを着て、顧客の元へ出向く。

「ここの入力が面倒なんだよ」という現場の不満を直接聞き、その場で提案し、持ち帰って実装する。
そこにあるのは、無機質な「受注・発注」の関係ではなく、体温のある「人間同士」の付き合いだ。

そして今、彼らはさらにその先へ進もうとしている。
「オーダーメイドの受託開発」から、「自社パッケージ製品を提供するメーカー」への転換だ。

受託開発は、目の前の顧客を深く幸せにできる。だが、景気の影響を受けやすく、届けられる範囲も限られる。

「自分たちがつくった良いものを、もっと多くの人に届けたい」

その思いから生まれたのが、学校向けグループウェア「ミライム」だ。
愛媛県内の導入率は約8割。導入実績は全国2,500校にものぼる。

なぜ、彼らの製品はこれほど現場に受け入れられるのか。その理由は、彼らが展開する「学校サポート事業」にある。

INSではソフトを提供するだけでなく、学校現場へ直接訪問することで、先生たちとの接点を大切にしながら、ICT利活用をサポートし続けている。
「使い方がわからない」「○○したいんだけど、どうすれば良い?」
そんな現場の声を直接拾い上げ、製品開発にフィードバックする。

システムと人。その両輪で現場を支えているからこそ、彼らの製品は「現場になくてはならない存在」として、長く選ばれ続けているのだ。

一度つくった製品を、全国の多数の顧客へ。

開発コストを抑えながら、価値の総量を最⼤化する。それは、彼らが選んだ「ベターな選択」だ。

「人が宝」の本当の意味

武村社長は語る。

「宝というのは、金庫にしまって守るものではないんです。磨いて、輝かせるものなんです」

この言葉の裏には、重い原体験がある。

かつて知的障害を持つ兄を「家の宝として大事にしなさい」と言われた父の教え。そして、「いい会社にするなら、まずいい人間になれ」と説いた師の教え。

技術力も大事だが、それ以上に「人間力」を磨くこと。

それが、INSという会社の背骨になっている。

だからこそ、社員は安心して挑戦できる。

失敗しても見捨てられないという安心感があるからこそ、新しい技術にも、顧客への難しい提案にも踏み込めるのだ。

求めるのは、技術力よりも「対話力」

メーカーへの転換、そして全国展開。INSは今、大きな変化の最中にいる。
社内でも、フリーアドレスの導入など、これまでの安定志向から脱却し、変化を楽しむ空気が生まれつつある。

だからこそ今、彼らは「まったく違う土壌」を持った人を求めている。
東京や大阪で揉まれた視点、マーケティングの知見、あるいは全く異なる業界の常識。
「今まで通り」を壊してくれる異文化は大歓迎だ。

ただし、一つだけ譲れない条件がある。
それは「基本的な価値観」の一致だ。

「人に役立つことが嬉しい」「誰かの笑顔のために働きたい」
この根っこの部分さえ共有できていれば、出身もスキルも、働き方さえも問わない。
違いは価値になる。でも、根っこは一つ。そんな「自立した大人同士の信頼関係」を、彼らは求めている。

「副業」から、この家族の一員に

いきなり移住して転職、というハードルを越える必要はない。
INSでは今、東京や大阪に拠点を置きながら、マーケティングや市場開拓、あるいは新しい技術の知見で力を貸してくれる「パートナー(副業・兼業)」を募集している。

週に数時間、松山の真面目なエンジニアたちと語り合い、あなたの知見で彼らの背中を押す。
そんな「緩やかな仲間」としての関わり方から始めてみてはどうだろうか。

東京にいながら、松山の企業の変革に関わる。
スキルだけでなく、人間としての信頼で繋がれる場所を持つ。
そういう仕事を一つ持っておくことは、これからの長いキャリアにおいて、決して悪くない選択肢のはずだ。現在、株式会社アイ・エヌ・エスでは、事業変革を共に推進してくれるパートナーを募集している。
「人」を大切にする社風の中で、自分の経験を活かしてみたい方は、ぜひ問い合わせてほしい。

COMPANY

愛媛県松山市に拠点を置き、創業30年以上の実績を持つシステム開発企業。地域の基幹産業を支える「業務システム開発」と、全国2,500校以上で導入されている学校向けグループウェア「ミライム」などの「自社製品開発」を事業の柱とする。下請け構造からの脱却を果たし、顧客との直接取引を重視。「人が宝」という理念のもと、システム開発と人的サポートの両輪で現場の課題解決に取り組む。

RECRUIT

会社名
株式会社アイ・エヌ・エス
勤務地
愛媛県松山市(本社)
※フルリモート可(東京・大阪・福岡などの県外居住者歓迎)
募集職種
パートナー人材(副業・兼業)
仕事内容
自社パッケージ製品の「県外展開」と「商品力強化」
自社開発のパッケージソフトを、東京・大阪・福岡などの都市圏へ展開するためのプロジェクトに参画いただきます。
① マーケティング:県外市場に向けた戦略立案、認知拡大、アプローチ手法の策定。
② 営業:都市圏企業への販路開拓、顧客アプローチ、関係構築。
③ デザイナー:自社製品のUI/UX改善、ブランディング、販促ツールのクリエイティブ制作。
※いずれも「外部の視点」を持ち込み、松山の真面目なモノづくりを全国レベルへ引き上げる役割を期待しています。
SECOND編集部
Author SECOND編集部

「大人のベターな選択」を支援する、移住&キャリアマガジン編集部。場所や常識に縛られず、人生を再編集するための「戦略」としてのローカルライフを提案する。きれいごとではないリアリティのある移住者インタビュー、独自の視点で切り取った企業ドキュメンタリー、賢く生きるためのコラムを発信中。

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