松山市内から車を走らせる。穏やかな瀬戸内の空気が流れるこの街に、世界中の「水」を変えようとしている企業がある。

株式会社ダイキアクシス。
名前を聞いたことはあっても、具体的に何をしているか詳しく知る人は、地元でも意外と少ないかもしれない。
彼らが扱うのは「水」。浄化槽や排水処理システムを作り、汚れた水をきれいにして自然に還す仕事だ。

オフィスを訪ねると、落ち着いた空気が漂っていた。
派手なベンチャー企業のような熱気とは違う。地に足のついた、静かな自信のようなもの。
この会社を一言で表すなら、間違いなく「真面目」だ。

けれど、話を聞き進めるうちに、その「真面目さ」の裏側にある、驚くほど泥臭い挑戦の数々が見えてきた。

きれいごとでは済まない、環境ビジネスのリアル

「うちは、真面目な会社なんです」

経営企画部の近藤さんは、少し照れくさそうに、でも誇らしげにそう言った。
社内アンケートをとると、自社の文化について「真面目」と答える社員が圧倒的に多いのだという。

それは、彼らの仕事を見れば納得がいく。
水処理の現場は過酷だ。
どんなに汚れた水でも、地域の基準値に合わせて浄化し、自然に還す。
「できません」は通用しない。顧客の要望と、環境基準の狭間で、何度も試行錯誤を繰り返す。粘り強さがなければ務まらない仕事だ。

その視線は今、海外に向いている。
インド、スリランカ、バングラデシュ。
急速な経済発展の裏で、水質汚染に苦しむ国々だ。

「内定者研修では、インドネシアのゴミ山を見に行ってもらいました」リゾート地の華やかな表側ではなく、その裏にある現実を見せる。
悪臭が漂い、汚れた水が流れる現場。
「世界を変える」という言葉が、いかに重く、困難なことか。それを肌で感じてもらうためだ。
理想だけでは続かない。でも、誰かがやらなければならない。
ダイキアクシスがやろうとしているのは、そういう仕事だ。

「IQ」より「EQ」が問われる現場

グローバル企業というと、語学力やMBAのようなスマートなスキルが求められると思うかもしれない。
だが、ここで求められる能力は少し違う。

「IQ（知能指数）より、EQ（心の知能指数）が大事だと思っています」

近藤さんは、そう語る。
水処理のプロジェクトには、多くの人が関わる。
開発、設計、生産、営業、そして現場で汗を流す施工管理やメンテナンスの職人たち。
社内には、管理部門で働く者も、現場で働く者もいる。国籍も文化も違うメンバーがいる。

自分と違う立場の人間をリスペクトできるか。
相手の言葉に耳を傾け、調整し、一つのチームとして動かせるか。
AIが台頭する時代だからこそ、最後に残るのは、そうした「人間臭い調整力」や「共感力」なのだ。

変革期にある「老舗ベンチャー」

創業から65年以上。歴史ある企業ゆえの課題も隠さない。
正直に言えば、組織にはまだ「堅さ」がある。
「就職氷河期世代」と呼ばれる40代中盤の中堅層が、人口構造上ごそっと抜けているため、ベテランと若手の間に断絶が生まれやすい環境でもある。

だが、それを彼らは「チャンス」と捉えている。
社長自らが「Protect × Change（守るべきは守り、変えるべきは変える）」を掲げ、組織を揺さぶっている最中だ。
若手や中途入社者が、いきなり経営に近いポジションで意見を求められることも珍しくない。

「目安箱」には現場からの意見が集まり、社長はそれを真摯に受け止め、動画でフィードバックを返す。
老舗の安定感を持ちながら、中身はベンチャーのように変わろうとしている。そのひずみすらも、楽しめる人には面白いフェーズだろう。

この船に乗る、ということ

取材を終えて外に出ると、松山の空は変わらず穏やかだった。
だが、この街のどこかで、インドの水をきれいにしようと図面を引いている人がいる。
現場の職人と膝を突き合わせ、泥臭い調整をしている人がいる。

決して派手な仕事ではない。
「スマートに稼ぎたい」という人には、向かないかもしれない。
けれど、自分の仕事が確実に地球のどこかを良くしているという手応えは、ここにはある。

真面目であること。他者をリスペクトできること。そして、変化を恐れないこと。
そんな「大人のベターな選択」ができる仲間を、ダイキアクシスは待っている。

現在、同社では組織の変革を担う以下のポジションを募集している。

松山から世界へ。その挑戦権を掴みたい方は、ぜひ詳細を確認してほしい。