2026.04.07

瀬戸内の島から、メイドインジャパンで世界のゴミ問題に挑む

広島県尾道市、因島。瀬戸内海に浮かぶ穏やかな島に、世界が抱える社会課題に真っ向から挑む企業がある。社員数わずか20数名の、株式会社アイケーシーだ。

一見すると、地方によくあるのどかな鉄工所に見えるだろう。だが、彼らがつくるのは、現代社会が抱える深刻な「ゴミ問題」を解決するためのリサイクルプラント装置だ。

同社が手がけたプラント

そしてその視線は、日本国内にとどまらず、インドやベトナムといった東南アジアの巨大市場へと向けられている。

「下請け」から「自社開発のメーカー」へ。今、この小さな島にある企業で、静かだが劇的な組織の変革が起きている。

泥臭い技術が世界の環境問題を解決する

アイケーシーの主力製品は、プラスチックなどのリサイクルされる廃棄物を何十トンという力で圧縮する「プレス機」だ。
かさばるリサイクル原料を1メートル角のサイコロ状に圧縮し、輸送効率を劇的に向上させる。
“環境ビジネス”というと、AIやバイオテクノロジーを用いたスマートなものを想像しがちだが、現場のリアルはもっと泥臭い。

ベトナムなど東南アジアを市場調査に訪れることも

経済成長が著しい東南アジアでは大量消費の一方で廃棄物を適切に処理するインフラが整っておらず、ゴミ問題が深刻化している。しかし、最新鋭のロボットを導入して選別しようとしても、現地のコストや環境には合わない。今求められているのは、目の前に発生し続けるゴミを確実に、安価に、そしてタフに処理し続ける「アナログで最適な技術」なのだ。

一方で、市場は独自の進化を遂げている。
「ベトナムへ市場調査に行くと、土埃が舞う道路で、みんなスマホを持っている。SNSを駆使して価値ある廃棄物を個人売買する人もいる。日本の高度経済成長期とは全く違う進化をしていて、そこが面白いんです」

そう語るのは、同社でCTO(最高技術責任者)を務める岡部さんだ。

視察先のベトナムにて(CTOの岡部さん)

ドイツの世界的な展示会で最先端のトレンドを吸収し、インドでプラントを受注し、ベトナムで独自の市場を開拓する。因島の小さな工場は今、世界経済のうねりとダイレクトに繋がっている。

大企業の歯車にはない、中小の力学

現在、アイケーシーは大きな過渡期にある。
かつて造船の下請けとして製造業を営んできた同社は、自社製品を持つメーカーへと舵を切った。しかし体制が完全に整っているわけではなく、社長の直感と情熱で走る「町工場のスタイル」が残っていた。

この環境に、ロジカルな「ものづくり」のプロセスを持ち込もうとしているのが、前出の岡部さんだ。

大手機械メーカーや製造系コンサルティング企業を渡り歩いてきた彼は、なぜこの規模の会社を選んだのか。そこには「力学の違い」があるという。

「大企業は人が多く、個別の事情をいちいち考慮していては組織が回らないため、あらゆるリスクを想定して一律のルールで縛ります。基本的には“誰がやっても同じ結果が出る仕組み”を目指す。でも私は、自分のやり方やアイデアを形にできる環境、そしてルールではなく“良いものを良い”と本質で判断できる環境を求めていました」

アイケーシーには、その合理性があった。

驚くべきことに、岡部さんは因島にはいない。海を隔てた愛媛県松山市から「フルリモート」で技術部門を束ねている。

リモート勤務するメンバーで集まり、コワーキングスペースで仕事をすることも

「当時、社内にリモート勤務の社員なんて一人もいませんでした。社長に相談したら、『成果を出せるならそれでいい』と即決してくれたんです。アウトプットが出せるならプロセスにはこだわらない。その合理的な意思決定ができる会社だと確信しました」

完成された大企業で歯車の一つとして生きるか。それとも、最適解を自ら創り出し、自分の存在意義を感じながら働くか。

ここには、後者を望む大人にとって最高の「余白」がある。

ものづくり経験者である必要はない

下請けからメーカーへ。国内から世界へ。
この変革をスケールさせるため、アイケーシーは今、新しい人材を求めている。
機械設計経験は大歓迎だが、求めるのは、それだけではない。

「ものづくり」の経験者でなくても、歓迎の姿勢だ。

例えば、アナログな工場にデジタルを持ち込む「IoTに強いエンジニア」。彼らの視点から見れば、この業界はまだまだアップデートの余地だらけだろう。

あるいは、東南アジアの政府や処理業者と渡り合い、ゼロから売上を作れる「ビジネスディベロッパー」や、廃棄物業界特有の“泥臭いリアル”を知り尽くした営業人材など、活躍の舞台は無限に広がる。

「今の自分たちが見えている世界で判断したくないんです。『私なら、御社でこんなことができます』という提案を持ち込んでくれる人なら、大歓迎です」

アイケーシーは、まだ完成されていない。

だからこそ、あなたの持っているスキルが、この会社の「次の正解」になる可能性を秘めている。

COMPANY

広島県尾道市に本社を置き、一貫体制で機器製造からプラント設計、メンテナンス保守まで幅広く対応し、特定の領域にとらわれない柔軟な提案に対応。
高度な技術力を備えた営業スタッフや知識豊富な専門スタッフが一丸となり、全国の環境企業に高品質な製品とサービスを提供している。

RECRUIT

会社名
株式会社アイケーシー
勤務地
広島県尾道市(因島)
※フルリモート・ハイブリッド勤務など相談可
募集職種
オープンポジション(設計、IT/IoT推進、海外事業開発、営業など)
仕事内容
自社製品の機械設計、工場へのIoT導入・DX推進、東南アジア市場での販路開拓やパートナー開拓など。ものづくりの経験の有無を問わず、あなたの強みを活かして会社をアップデートする役割です。
SECOND編集部
Author SECOND編集部

「大人のベターな選択」を支援する、移住&キャリアマガジン編集部。場所や常識に縛られず、人生を再編集するための「戦略」としてのローカルライフを提案する。きれいごとではないリアリティのある移住者インタビュー、独自の視点で切り取った企業ドキュメンタリー、賢く生きるためのコラムを発信中。

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